統計思考入門 ― プロの分析スキルで「ひらめき」をつかむ

マーケティングの専門家が著した本ということもあり、マーケティング目線での統計学の利用について事例をもとに思考の過程を述べている。単なる式ではなく、なんのために統計を用いるのかということが意識させられる良書であると思う。

本書では、ショッピングセンターをこれから作るときにどのようなショッピングセンターにすれば人気が出るかといったことを分析するときに、既存のショッピングセンターの特徴と人気度をグルーピングしてどのグループを目指せば最も商売上有利かということを分析している。

このように全体から違いを見出すことに統計学(主成分分析)は用いられる。

上記でこれから作ろうとするショッピングセンターと似たショッピングセンター群(Ⅰ群)を知ることができたが、更に似たショッピングセンターを分析したいとする。その場合Ⅰ群を更に分割して、その中で自分と最も近いものを知るときにはクラスター分析が用いられる。

このように自分と似たグループの中から更に相性のよいグループ内の要素を見つけることにも統計学は用いられる。

以上のように同じもの(人間)の中に違い(人種、性別)を見出すことに統計学(主成分分析)は用いられるし、逆に違うもの(AさんBさんCさん…)の中に同じところを見出すことにも統計学(クラスター分析)は使われるのである。

しかし、母集団が大きくなりすぎるとデータ収集が現実的でなくなる恐れがある。これに対して、統計学には少数のデータから全体に近似する標本という方法も存在する。

これら三つの統計学の武器が統計学を利便性の高い強力なツールたらしめている。

分析するにあたって個人によって考えるモデルは異なるかもしれない。しかし、同じモデルのもとでは必ず同じ結果が導かれるのが統計学の利点である。これが「数字は強い説得材料になる」とよく言われる所以である。

本書は統計学をなんのために用いるのかということにかなり重きをおいており、一読の価値ありと思う。

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Posted by oumae