米国の雇用統計が良いと日本企業の株価が下がる理由

3月 12, 2018

この間ダウが急落しましたね。
雇用統計が出た直後です。雇用統計では失業率が公開されます。
株価が急落したから失業率が上がったのかと思いきや、下がっているのです。
なぜ株価は下がったのでしょう。

失業率が下がったら売り手市場になるので売り手有利になり、賃金は上昇します。
これ自体はおそらく良いことです。賃金が上昇すると、商品の原価に人件費が入ってきますしそもそも購入意欲が増しますから、商品価格も上昇しますよね。いわゆるインフレというやつです。
これが、今回の直観的でない現象に深くかかわってきます。

中央銀行(FRB)は二つの目標を至上命題としており、その一つがインフレ率2%を維持することです。中央銀行は雇用統計の結果が良すぎたために、過度なインフレが起こると睨み、インフレ率を抑えるために、市場を抑制しようとします。
市場を抑制するためには市場に出回るお金を少なくしてしまえばよいのです。
なぜならば、出回るお金が少なくなれば、銀行が現金を調達することが難しくなります。
したがって、銀行は預金の金利を高めることによって一般の人にお金を預けてもらおうとします。結果として一般人はお金を商品に使わなくなるので商品の価格が下がり、インフレが抑制されるわけです。

お金の流通量を減らす手段は複数ありますが、ここでは売りオペレーションを考えます。
売りオペレーションとは国が国債を発行することにより、銀行からお金を吸い上げることです(国債とお金が交換されるので、銀行からお金が消える)。

国債が多く出回ると、国債の価格は下がります。
ところで、国債にはクーポンというものがあります。クーポンとは持っていると毎年固定額もらえるお金のことです。例えば、100円の国債でクーポンが10円だったら毎年10円もらえます。では、国債の価格が下がって90円になったらどうでしょう。90円に対してクーポンが10円なので利回りは高くなりますよね。

国債の利回りが高くなると、国債のリスクは株より低いですから、「わざわざリスクとって株を持つ必要ないじゃん」となって株が売られ、国債が買われます。
これが、雇用統計が良いと株が下がることもある理由というわけです。

資産運用

Posted by oumae